真珠のボタン

 

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全長4600キロ以上に及ぶチリの長い海岸線。

その海の起源はビッグバンのはるか昔まで遡る。

そして海は人類の歴史をも記憶している。

チリ、西パタゴニアの海底でボタンが発見された➖➖

そのボタンは政治犯として殺された人々や、祖国と自由を奪われたパタゴニアの先住民の声を我々に伝える。火山や山脈、氷河など、チリの超自然的ともいえる絶景の中で流されてきた多くの血、その歴史を、海の底のボタンがつまびらかにしていく。

 

 

およそ138億年昔、ビッグバンとともにこの宇宙が誕生し、46億年昔に地球が誕生、やがて水のなかから生命が生まれ進化を続けた。海から陸が生まれ、映画の舞台となる南米チリという国が生まれた。巨匠グスマン監督はその果てしない時の流れのなかで、大宇宙や自然をとらえた驚異の美しい映像とともに、人間が過去に繰り返してきた蛮行をとらえる。ピノチェト独裁政権下(1973~1990)での弾圧、さかのぼり行われた植民地化と先住民への虐待などである。

大宇宙のなかの地球、その光や水は、人間とともに、宇宙の営みや人間の業ともいえる歴史の事実を記憶している。この2作品を見る者は、心にこれまで経験のない意識が目覚めるのを感じるだろう。永遠の時空のなかで生成するひとつの生命体としての大いなる意識。人間は地球の支配者ではない。歴史の記憶とは。人間の、人間やほかの生命を蹂躙する性(サガ)とは‥‥。 『光のノスタルジア』と『真珠のボタン』、この2作品における「星の視座」は、今日の混迷する文明社会で顕在する、人間の暴力や支配への欲望に対して、私たちが忘れようとしている人類の叡智を思い起こさせる。

それは未来への希望にほかならない。

 

映画『光のノスタルジア』『真珠のボタン』公式サイト

 

『真珠のボタン』は祖国チリがたどってきた苦難の歴史を大自然の圧倒的な映像美とともに描き、2015年ベルリン国際映画祭銀熊賞脚本賞)を受賞したドキュメンタリー。チリの西パタゴニアの海底で発見された真珠のボタンから、先住民大量虐殺やピノチェト独裁政権下で殺された犠牲者たちの歴史を紐解く。

 

 

luckynow.pics

 

 


チリのドキュメンタリー作家が手掛けた2作!映画『光のノスタルジア』『真珠のボタン』予告編

 

 

 

youtu.be

世界的アウトドアブランド、パタゴニアザ・ノース・フェイスの創業者であるイヴォン・シュイナードとダグラス・トンプキンスが若き日に体験した人生最高の旅を、冒険家ジェフ・ジョンソンが追体験するドキュメンタリー。異国の地で暮らす人々との交流や、大自然の猛威と格闘しながら南米パタゴニアの高峰コルコバド山登頂を目指すジェフの姿を、数々のサーフィンムービーを手掛けるクリス・マロイが活写。伝説の旅をたどる冒険を通じて、自然とのかかわり方を改めて考えさせられる。 配給:グラッシィ/スタイルジャム

 

 

 

 

 

Coyote No.49 ◆ 今こそ、パタゴニア

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