It's only the end of the world

 

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  🎞『 たかが世界の終わり 』

directed by Xavier Dolan

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これが最後だなんて、

僕たちは哀しいくらい

不器用だった。


『たかが世界の終わり』本編映像

 

グザヴィエ・ドラン監督・脚本・編集による2016年のカナダ・フランスのドラマ映画(英語版)である。ジャン=リュック・ラガルス(英語版)の戯曲『まさに世界の終り(フランス語版)』を原作としている。

 たかが世界の終わり - Wikipedia

「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。母のマルティーヌは息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャレをして待っていた。浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面だ。オードブルにメインと、まるでルイが何かを告白するのを恐れるかのように、ひたすら続く意味のない会話。戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイ。だが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる――――。

映画『たかが世界の終わり』公式サイト

 

 愛しているのにどうしようもなく不器用で傷つけ合うことしかできない《 ある家族の一日》

 

観ていてとてもつらくなったのは自分の家庭と少なからず重ねてみていたところがあったから。

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ルイ(ギャスパー・ウリエル)

家族に心を閉ざした主人公。

12年ぶりに帰省して大事なことを打ち明けようとする。

 

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 シュザンヌ(レア・セドゥ)

 兄ルイに憧れる妹

 

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アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)

 弟ルイに対してコンプレックスを抱えている兄

 

どこかで見覚えのある

ミスコミュニケーションに心がぎゅっと縮まり、固くなる。

 

自分の中にこの3兄妹はそれぞれに存在していて、近しい間柄だからこそ言えないことはたくさんあるし、時に感情的になりすぎることもある。

 

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また、沈黙を選択して周りに合わせようと努めたりと家族という関係性は一筋縄ではいかない。

 

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母マルティーヌ(ナタリー・バイ)

息子のことが理解できていない

 

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アントワーヌの妻カトリーヌ

(マリオン・コティヤール)

人付き合いが苦手だが誠実な人 

 

登場人物は家族間だけ。

クライマックスを迎えると徐々に感情のぶつかり合いが激しくなっていく。

 

「なぜ分かり合えないのだろう」

「わたしを分かって」

「僕はこう言いたいのに」

心の声は出そうで出ない。

 

 

長い長い沈黙の演出の中にグザヴィエ・ドランが描きたかった現実の家族があるような気がした。f:id:amucori00:20171105084417j:image

 

また歌詞と物語をリンクさせた楽曲の使い方には毎回ハッとさせられる。

今回は

・Camilleの『Home is Where It Hurts』


Camille - Home is where it hurts

 

・ Mobyの『Natural Blues』

 

 

 Natural Bluesの

日本語訳詞だけ引用すると

果てしなく暗い闇

わずかな望みも朽ち果てて

誰にも届かない

心の叫び

ただ神だけが耳を傾ける

どうしようもなく深い孤独

抗う力さえ失うほどに

誰にも見えない涙のしずく

ただ神だけが指先でぬぐう

永遠に終わらない夜

絶望の海に取り残されて

誰も知らない傷の痛み

ただ神だけが手をかざす

険しい山を降りたあの日

癒された魂

安らぎに身を委ねて

やっと辿り着いたあの地

解き放たれた魂

光で満たされて

 

観終わった後初めて入った喫茶店で自分の家族について振り返ってみた。それぞれお互いに言えることも遠慮をして言えないこともあるがまたその都度大事に向き合っていけたらと思う。

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 最後にグザヴィエ・ドランが

カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した時のスピーチ。そこには深い洞察と心情が込められていると思った。

 

私たちがこの世で求める唯一のことは、愛し、愛されることです。特に僕は愛されたい欲求が強いのだと思います。 - 僕は成長するにつれて人から理解されることの難しさを知るようになりました。 でも、今日、自分のことを理解し、自分が何者かをようやく理解できました。感情はストレートに伝わらないこともありますが、必ず相手に届くものです。 --闘いは続きます。これから人々に愛される、あるいは嫌われる映画を作るでしょう。 それでも、アナトール・フランスが言ったように、「無関心な知恵より、情熱的な狂気の方がいい」のです。